この記事の背景
自分がこの資格を受けた際に試験対策の情報がほとんど見つからず、とても苦労しました。
他にも誰かが困っているかもしれない…「これは残しておかないと!」という気持ちから、同じように困っている誰かの助けになればと思い、より読みやすく再編集することにしました。
※2023年5月投稿した記事の編集版です。
受験の動機
この資格に限らずですが、私は常々、「できるだけ苦労することなく転職したい」(=資格)と思っています。加えて自身がデスクワークなのもあり現場についての理解を深めたいという思いから、実地試験が含まれているこの資格を受験しようと思いました。当初は道路橋診断士の受験も検討しましたが、プライベートのイベントが多い年だったので、比較的容易に取得しやすそうなこの資格を受験することにしました。
受験レポ(本題)
(1)資格区分
先日、阪神高速先進技術研究所の土木構造物診断技術者を受験しました。
経験年数の都合で「点検診断士」を受験しましたが、「主任点検診断士」、「点検診断士」、「補助点検士」があるみたいですね。

技術士に例えるなら、「主任点検診断士」が総監、「点検診断士」が技術士、「補助点検士」が技術士補みたいな立ち位置でしょうか。
(2)点検診断士の出題項目
道路橋点検士と違って、出題項目が幅広く、設問は以下の通りでした。
- 鋼構造物
- コンクリート構造物
- トンネル
- 土工
- 舗装
- 道路附属物
色々学べて役に立ちそう!
これが愚かな判断でした…。
(3)Web講習会
「主任点検診断士」、「点検診断士」、「補助点検士」いずれも講習会を受けなければいけないので、丸一日Web講習会を受けました。
これがまぁ長い…。下の表は、私が受験した年度のタイムスケジュールです。
ちなみに「補助点検士」は、講習会を受けると取得できるそうですが、講習内容は若干違うみたいです。

正直、講習会を終えた時点で心が折れました。
(め、めんどくさい…けど、受験料が3万は高すぎる…絶対受かってやる…)
筆記試験と実地試験が別日で受けます。
(4)-1 筆記試験 準備
WEB講習会を受けたのは4月中旬頃。筆記試験は5月の連休明けで時間がなかったため、講習会を受けた後、とりあえず筆記試験に向けて準備にかかりました。
試験時間は下表のとおり。
筆記試験の内、択一問題75問を110分で、
記述問題は、点検に関する設問を2部門選択、診断に関する設問を1部門選択90分(一部門あたり300文字)

多くね?
まずネットで過去問を調べるけど出てこない…
X(旧Twitter)やLinked Inで調べても出てこない…
オワタ…
とりあえず書いてみようとしても出題テーマは何だ???
そういえば、講習会の最後に過去問の出題例をスライド3枚ほど見せてくれてたな…(テキストには過去問記載してないなんて不親切やな。)とりあえず講習会のスライドを見返してみてもわからん(怒)
路頭に迷ってしまった…
諸事情により詳細は記載できませんが、ありとあらゆる人脈を駆使し、なんとか筆記試験の問題の出題傾向を把握できました。
多くの人に確認していたため、出題傾向が把握できたのはGW直前となってしまいました。時間がなかったので半ばヤケクソモードで完全にヤマをはることにしました。
(4)-2 筆記試験 ヤマ張り
過去問の情報収集する中で、以下のような傾向で出題される事が分かりました。
コンクリート構造物の中性化について、損傷のメカニズムと点検の着目点・留意点について300字以内で述べよ。
これを踏まえて以下の部門に絞って準備しました。
点検:「コンクリート構造物」「土工」
診断:「附属物」
点検の部門項目を選んだ理由はそれぞれ以下の通りです。
「鋼構造物」、「コンクリート構造物」、「トンネル」の中で、トンネルは重要度が低いと想定し、比較的書きやすい(自分が比較的理解している)といった理由で「コンクリート構造物」を選択しました。
「土工」、「舗装」、「道路附属物」についても同様に、重要度が高く、最も書きやすい土工を選択しました。
診断の「附属物」を選定した理由は、全ての部門の中で、自分の最も得意な分野だったからです。
※補足:うる覚えですが、点検と診断で同じ分野を選択できなかったように記憶しています。
これら以外が出題されたら、もう手も足も出ないので諦めることにしました。
対策のためにまとめた具体的な内容は以下の通りです。
① コンクリート構造物(点検)
各損傷(asr,中性化、塩害など)発生メカニズムや点検時の留意点、点検方法を中心に整理
② 土工(点検)
盛土、切土のり面、擁壁の損傷、点検方法、着目点留意点を中心に整理
③ 附属物(診断)
想定される損傷と原因と健全度の診断、評価の留意点を中心に整理
他にも講習会で話してた内容を思い出しながら出題されそうな箇所を見直し復習してました。
また、論文については、GW前までに資格保有者に一度添削していただきました。
(4)-3 筆記試験 試験会場に乗り込む
試験当日は、受付20分前に試験会場に到着しましたが、既に10人程度集まっていました。ほとんどの方は作業着で、知り合い同士グループで固まっていました。女性が一人私服は大変目立っていたと思います。
(後に知ったことですが、この資格自体、ほぼ阪神高速の子会社向けのものなので過去問が流通していなかったそうです。)
試験会場に受験者は80名程で、会社ごとにまとまって座るようでした。
パーテーション横の会場では同じ試験が別テーブルで先に開始していました。
(4)-4 筆記試験 所感
結果から言うと、択一問題は、まぁ、難しい!の一言。
どの問題も大体2問まで絞れるのですが、残りどっちだろう?といった問題が多いです。体感として、一級土木施工管理技士の問題を初見で解いてる感覚でした。(過去問があれば余裕をもって答案できたのに…)
記述問題は、ヤマが大当たり!㊗㊗㊗
2023年度の出題は、以下の通りです。
問題用紙を持って帰ってないので問題文丸々は書けませんが。
①コンクリート(点検)
アルカリシリカの発生メカニズム、点検の留意点、外観的特徴、点検方法
②土工(点検)
切土のり面の損傷3つ上げ、留意する点
③附属物(診断)
標識の支柱部以外に想定される損傷の原因と健全度の診断、評価の留意点
(喜)やったああああ!
ちなみに自分が回答した設問以外は読んでないので覚えてません。
何回も見直しをして30分ほど余裕を持って退出しました。
明日は実地試験です。
レポ続きます。お読みいただきありがとうございました。(^^)
コメント
こんにちわ
2025年土木構造物点検診断士を受けます。
もしよろしければ、過去問や出題傾向や勉強方法など
知りたいです。
よろしくおねがいします。
マチョユー様
コメントいただきありがとうございます。また、返信が遅れ申し訳ありません。
別件で本記事を編集する筆必要があったため、より読みやすく編集しました。
過去問につきましては、実質流通しておりません。(※社外秘として念押しされている状況です。)
答えられる範囲で回答いたしますと、点検の着目点と留意点を問われる傾向にあります。
診断に関しても評価上の留意点を問われる傾向にあります。
自身も情報が不足している中での受験でしたので、ご参考になれば幸いです。