(前回「筆記試験編」の続きです)

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(4)実地試験
特に何も考える事なく車を持っていなかったので電車で行く予定でした。前日になって、試験会場(阪神高速 震災資料保管庫)への行き方を調べた際に、
あれ?会場、駅から遠くない??
阪神高速 震災資料保管庫 · 4.4★(46) · 技術博物館 〒658-0023 兵庫県神戸市東灘区深江浜町11−1 maps.app.goo.gl
電車であれば、道中予習ができると思っていたけど、乗り換えが多いから集中できないかもしれない…。加えて持ち物にフルハーネスがあるので重すぎる…。
という事で電車は諦めて、急遽レンタカーを借りることにしました。
持ち物はこんな感じ。

※補足:コンベやハンマーなどの落下対策をしているかなども見られているそうです。
(4)-1 実地試験 受付までの時間
試験会場に向かう時、急に雨が降ってきたので不安になりましたが、とりあえず集合場所に向かいます。
駐車場に到着した時は、前のグループがゾロゾロと建物から出て、試験会場に移動するバスに乗車するタイミングでした。
私の受付時間は14:40からだったので、受験番号(後ろの方)と受験時間から、恐らく最後の実地試験グループだったと思います。
前のグループの人たちの服装や持ち物からどんな問題が出題されるかわかるかな?と思い観察していましたが、全然わかりませんでした。(そらそうか。)
荷物を持って受付をしようと建物に向かいましたが、係の方に車内で待機するよう指示されたので、受付開始まで車内で待ちます。
時間になると係の方がわざわざ車まで呼びに来てくれました。
車内でフルハーネスまで全て装着し、受付を済ませ、会議室(講習会会場)で試験開始まで待機します。
(4)-2 実地試験までの時間
会議室に入ると、資料が置いてある席に座らせられました。
資料の内容は、点検の記入例の箇所抜粋です。
クラックスケールもありましたが、今日の試験にあまり関係ありませんでした。
早めに受付を済ませたので全員が来るまで待ちます。
受験者は16名。
講習会は同じグループで前半後半とありました。
(4)-3 講習会(前半)
前半の講習会は、前回のWeb講習会のおさらいで、点検結果の記入例について軽く説明を受けました。10分もなかったと思います。
(4)-4 講習会(後半)
後半の講習会は、2グループ(各8名)で分けられ、災害資料保管庫の見学をしました。
保管庫の資料を目の前に、解説員が一つ一つなぜ損傷が発生したかなど解説しながら、一周しました。
普段近くで見ることのない構造物を間近で見学できて面白かったです。
保管庫の屋外では、コンクリート床版の打音比較ができる施設やASRの補修工法の比較の実物などがありました。
屋外で説明の後、10分程度の自由時間が与えられ、自由に打音や触診ができました。
この時間は採点されてないように感じましたが、実際どうでしょうか…
もし時間に余裕があれば事前に災害資料保管庫の見学に行ってもいいかもしれません。無料なので。
前半の講習会の会議室に戻ると息つく間もなく実地試験会場に向かいます。
判定基準を覚えきれてなかったので、移動する車内で頭に叩き込みこもうと思ってたのですが、資料をしまってくださいの指示が出ました。
名指しで怒られたわけではないのでセーフと思ってますが。笑
バスで実地試験会場へ移動します。
歩いて行ける距離やで…と思いながらもドナドナ
(4)-5 いよいよ実地試験
実地試験会場に到着しましたが、高所作業車が駐車している普通の駐車場でした。
本当にここで試験?と思いながら下車しました。すでに4グループに分けられており、グループ別の集合場所に移動します。
図面と回答用紙がセットされた画板を配られます。
回答用紙のフォーマットは講習会資料とほぼ同じで、道路橋点検士より簡易なものでした。台帳というよりは、試験の回答用紙といった感じです。
全体説明は10分程度でしたが、なんせ高架下なのでマイクをしていても説明の声が聴きとりづらい…
これは想像してなかった!(;´Д`)
私の班は、擁壁→鋼桁→床版→橋脚梁上でしたが、別の班は同じ構造物を違う順番で点検します。一箇所当たり12分だそうです。それぞれの構造物の前で試験監督員が待機しており指示に従います。
まずは擁壁です。
側道の擁壁2面分高さは2~3m程度でしょうか。
擁壁手前には雑草が繁茂していて、全景の確認が難しかったですが、それよりてこずったのは「雨」!
最初の試験で慣れてないことに加え、雨で紙がへろへろになり、書けるところがなくなりました。
とりあえず書けるところは書いたのですが、自分でも読みにくい。
監督員に新しい紙をもらいましたが転写する時間もなくそのまま終了。
回答用紙が2枚になることに了承を得て休む間もなく次の点検へ。
次は路上からの鋼桁の点検でした。
新しくもらった回答用紙も雨でへろへろになってしまいました。(怒)
その回答用紙と悪戦苦闘している間に説明が始まり、点検箇所を聞き逃してしまいました。(涙)
半ば諦めながらも他の受験者が見ている箇所を同じように点検し、なんとか終了しました。
そして床版の点検でした。
高所作業車に乗っての近接目視です。開始早々他の受験者が、試験監督から受けた起終点と図面の起終点の位置がおかしいことを指摘していました。全体を通して所々、大丈夫かなこの試験監督員…?みたいな人がいましたね。
改めて起終点を確認し再度点検を開始しましたが、範囲が狭かったので早々に終了しました。
最後は橋脚梁上です。
これも高所作業車に乗っての近接目視です。幸か不幸か雨が降っていたので、排水施設の腐食は確認しやすかったです。
ボルトの欠落、橋脚のクラックなど、今回の実地試験で最も損傷が激しかったです。
点検が終わると画板ごとすぐに回収されます。見直しの時間は全くありません。
点検中に全てを書ききらないと間に合わないですね。後から清書も無理です。
ですが、ありがたいことに診断 (S1~C、T1~T3等)がなかったことが幸いでした。あったらもっと間に合わなかったと思います。
各試験場所では試験監督員から、最初に「起終点の確認」「投影で書くことの注意」と、「終了2分前のアナウンス」がについてアナウンスがありますので、その点のうっかりミスの心配は少ないと思います。
また凡例も回答用紙に記載されていますので覚える必要はないです。
事前には聞いていましたが、当日の注意事項から安全対策に重きを置いてるようで、ペンなどの落下物や不安行動は減点の対象となります。点検ハンマーも落下防止用の紐を取り付けるなど対策の必要がありますね。
普段、市町村の舗装や附属物点検に従事して、道路橋の点検の経験がほぼないので安全対策や装備での見落としがないか気になりました。(普段から道路橋の点検をやってる人にとっては当たり前の事かもしれませんが…。)
総括して、受験してよかったと思います。
会社からの指令ではなかったので、プレッシャーはそこまで大きくなく、(合格したら会社から受験料などが返金されるのでそのプレッシャーだけあったけど。)橋梁だけでなく幅広い知識を得ることができたので悪くないと思います。
ただ受験料は高いですね。高所作業車を使うからでしょうか。
とりあえず今はもう合格していることを祈るしかありません。
合否はまた投稿します!では~(‘ω’)ノ
(5)合否結果
合否通知書が6月末に届きました。
結果は…
…(ドラムロール)
…
…
不合格!!!(;_;)
残念な結果となりました…
結果は以下の通りです。
- 筆記試験総合点、合格
- 筆記試験各項目ごとの個別基準、不合格
- 実地試験、合格
- 総合判定、不合格!
実地絶対落ちてたと思ったのに受かってたことに驚きでした。
要は、筆記試験で満遍なく点数を取れなかったということですね。
今回は点検診断士は取れませんでしたが、補助点検士の資格はとれました。
とりあえず何か手に入れられてよかったです。
(7)エピローグ・・・更新が近づいて思うこと。
受験した年は転職しようと思っていたため、取得しましたが、次回の更新はしないと思います。
理由は、最近ほとんど点検業務に携わることが少ないことと、あまり阪神高速の仕事をしていないので、あまりメリットを感じられませんでした。
更新にかかる時間やお金を技術士の勉強にあてた方が、自分にとっては有意義と思いました。
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