📖 本の基本情報
書名: 気にしない練習
著者: 名取芳彦
出版社: 三笠書房
発行年: 2015年
ジャンル: 自己啓発・メンタルケア・仏教
📚 この本を選んだきっかけ
国際結婚をしてから、自分の宗教観について考える機会が増えました。
最近は断捨離を進めている中で、「手放す」という考え方が仏教に由来することを知り、ますます興味が湧きました。
私は宗教に対して特別熱心な信者ではありませんが、仏教は「誰かを崇拝するもの」ではなく「自分を律するための教え」が多いと感じています。
そんな教えの中に、もっと軽やかに生きるためのヒントが見つかるのではないかと思い、この本を手に取りました。
📖 あらすじ(ネタバレなし)
本書は、日常でつい「気にしすぎてしまう」怒りや不安といった感情を、仏教の視点からやさしくほぐす方法を紹介した一冊です。
著者の名取芳彦さんは僧侶としての経験をもとに、他人の言動や些細なことに振り回されず、心を軽くするためのヒントをわかりやすく解説しています。
また、所々筆者の冗談も入っており、クスリと笑えるシーンもあるので、読みやすさと親しみやすさも感じられました。
✏️ 感想(ネタバレあり)
これまで精神的に浮き沈みがある時期がありましたが、本書は心が最も落ち込んでいるときに読むと、どこか冷めた目で見てしまうかもしれません。
「そんなことは分かっている」と思ってしまう場面もありました。
個人的には、気分がある程度回復し、心が安定したタイミングで読むと、素直に内容を受け入れやすいと感じました。
また、宗教に対してアレルギーがある方も注意が必要です。
仏教の視点がベースになっているため、そうした背景を前提に読めるかどうかで印象が変わると思います。
何となくわかっていることでも、改めて指摘してくれる感じがあり、仏壇の前でおばあちゃんと話しているような、穏やかで温かい気持ちで読み進められました。
以下に心に残った文章を引用します。
私はまだ死んだことはないのですが、死ぬときは、「生まれて初めて死ぬのだな」と、楽しみにしようと思うくらいです。(p.73)
本文は『「手に入らないことを楽しむ」という方法もある』の章の中で、物欲やまだ手に入れていないものを楽しむ心のあり方について触れています。
その延長として、上記の考え方が紹介されており、私にとっても参考になるなと思いました。
小さい頃から死についてよく考える子供でした。
死ぬこと自体は怖いのですが、新しいことに挑戦するのは嫌いではなく、わくわくする性格の私にとって、このように捉えることができれば、死に対する不安も少し和らぐとおもいます。
すべてのものに固有の我(実態)と呼べるものはないという真理。(中略)私という我も”こうだ”という固有の実態はありません。(中略)心も同様で、健全だと思っていた精神もちょっとしたことが原因でへこみ、とげとげしくなります。(p.85)
縁が変われば中身も変化する、ということを改めて気づかされました。
例えば、本一つをとっても、コレクションとして楽しむこともあれば、踏み台にしたり、火種にしたりと、用途はさまざまです。
また、見る側面によっても用途や価値は変わるため、「自分はこうだから」と決めつける必要はありません。
変化を受け入れることで、新しい見方や楽しみ方が広がるのだと気づくことができました。
彼女は「私はもともと才能がないので、人の十倍練習しないと駄目なんです」と半年間猛練習しまします。
その甲斐あって大会で見事に一位を獲得しました。すると彼女がいいました。
「一度の優勝は偶然、二度はまぐれ、三度優勝して初めて実力があるといえるんです。だから私は連続三回優勝を目指します。」(p.149)
このエピソードを読んだとき、思わず「恐れ入った」と感じました。
私自身も、1回だけの優勝や好成績が本当に実力なのかと不安になることがあります。
特にTOEICを受けていると、点数は少しずつ上がってきているものの、それが「実力として定着しているのか」には自信が持てませんでした。
だからこそ、この方のように「一度では偶然、二度ではまぐれ、三度で実力」という姿勢に強く共感しました。
謙虚に、そして着実に自分を磨き続ける姿勢を大切にしていきたいと思います。
食べ物を好き嫌いなく食べるのは、栄養バランスや食生活の豊かさにつながります。
同様に、人の好き嫌いがないほうが、人間関係のバランスがよくなり、人生の深みが増すでしょう。(p.173)
この一文は「食べ物の好き嫌い」と「人の好き嫌い」を重ねて説明していて、とてもわかりやすかったです。
例えば、私はサトイモが苦手ですが、栄養が豊富で体に良いことは知っています。
同じように、相性が合わない人や苦手に感じる人でも、その人なりの良さや学べる点があるはずです。
つい人間関係では「苦手だから避ける」となりがちですが、バランスの良い食事が心身の健康につながるように、いろいろな人と関わることで人生に深みが出るのだと、改めて気づかされました。
本書の中には、他にも参考になるページがいくつもありました。
私は、神がいる・いないとは特に考えていませんが、仏教の側面――つまり「誰かを崇拝する」のではなく「自分を見つめる」という考え方が心地よく、自分に合っていたのだと思います。
若い頃は宗教のエッセンスが入った本をどこか敬遠していましたが、年齢を重ねたいま、こうして読んでみて良かったと素直に思えました。
👤 こんな人におすすめ!
- 日常の小さなことに「気にしすぎてしまう」人
- 他人の言動に振り回されず、心を軽くしたい人
- 仏教的な考え方から、生きるヒントを得たい人
💡 総評
⭐ 総合評価:★3.3/5.0
📊 評価内訳:
- 読みやすさ:★★★☆☆
1ページに1つのエピソードが紹介されていてテンポよく読めます。ただ、まとめの部分で無理に仏教に結びつけているように感じる箇所もありました。 - 内容の充実度:★★★★☆
初めて知る言葉やエピソードも多く、興味深く読めました。 - 実用性:★★★☆☆
実生活に活かせるヒントが書かれている部分もありましたが、すべてのエピソードが実践方法までつながっているわけではない印象でした。
読みやすさはあるけど、実用性はもう一歩といった感じです。
この子は読み返す可能性があります。
💡 参考(目次)
1章 もっと「鈍感力」を磨く
2章 それは、あなたの「考えすぎ」
3章 うつうつした時は、こう考える
4章 比べない、責めない、引きずらない
5章 人生をシンプルに変えるヒント
6章 「今」「ここ」を大事に生きる



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